カメラ/レンズ

【カメラ】NDフィルタの選び方とNDフィルタを使った長時間露光の注意点

 

新しくNDフィルターを購入したので長時間露光撮影をしてきました。
今回はNDフィルターの選び方や使い方についてまとめてみたいと思います。

NDフィルターってなに?

NDファイルターは色味に影響すること無く光の量のみを少なくすることの出来るフィルターです。

NDフィルターにはND2やND4、ND32の様にNDの後に数字がかかれています。
これはどの程度光の量を少なくするかを意味しています。
ND2の場合は光量を2分の1にND4なら4分の1、ND32なら32分の1の光の量に抑えてくれます。

NDフィルターはどんな時に使う?

NDフィルターには主に2つの使い道があります。

明るい環境で大口径レンズを開放状態で使用する

一つが、明る大口径レンズを開放状態で使用したい場合にNDフィルターが役に立ちます。

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例えば、開放F値がF1.8など明るいレンズを開放で晴天の屋外などの明るい場所で使用した場合シャッタスピードを限界まで早くしても露出オーバーになってしまうことがあります。
そんな時にNDフィルターを付けて光量を抑えることで晴天の屋外でも絞り開放状態でレンズを使うことが出来るようになります。

シャッタースピードを遅くして長時間露光をする

もう一つ、長時間露光をする際にもNDフィルターが役立ちます。

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長時間露光はシャッターの開放時間を長くすることで動いているものの軌跡を写すことが出来ますが、シャッターの開放時間が長くなるため露出オーバーになってしまうことがあります。
夜間であれば数秒間シャッターを開いても適正露出に収まる場合もありますが、昼間だと光量が多すぎてシャッター速度を遅くすることが難しくなります。
NDフィルターなしでも絞りを絞り込むことである程度露出時間を稼ぐことは出来ますが限界がありますし、絞りすぎると所謂「小絞りボケ」が発生するためある程度絞りつつNDフィルタも使用して光量を抑えてシャッター速度を稼ぎます。
特に明るい時間帯に露光時間を数十秒単位で稼ぎたい場合はNDフィルターが必須になってきます。

どんな物を買えばいい?NDフィルターの選び方

amazonなどで「NDフィルター」を検索するとかなりの数がヒットすると思います。
値段やメーカーなど様々で迷ってしまうと思います。
また、ND2,ND8,ND32,ND500など種類があり、どの数値のフィルタが良いのか難しいところです。

値段やメーカーに関しては、自分の経験からですが有名なメーカー(ケンコーとかマルミとか)のモノを買うことをおすすめします。

実は以前、今回の購入しものとは別に2、4、8、16のNDフィルターとハーフグラデーションフィルターがセットになったかなりお得そうな商品を購入したことがあります。価格は3000円ほどでした。

DSC_4932ひどい紫かぶり・・・

しばらく使用してみたのですが、ハッキリ言って失敗しました!!
ND2,4当たりはまあまあ使えそうでしたが8、16は色かぶりがひどくて・・・撮影後Lightroomで補正しても取り切れないし・・・

安いものが全てダメというわけではないですが、安すぎるものはちょっと注意が必要です。
下手なものを買って失敗しないために信頼のおけるメーカーの商品を選ぶことを強くおすすめします。

まぁでも、安いものを一か八か試してみて値段の割に高品質ってこともあるので試したくなっちゃうんですが^^;

次にどの数値のモノを買えばよいかですが、前項で書いた通り主な使い方は「明るいレンズを開放で使うための減光」と「シャッタースピードを稼ぐための減光」の2つです。

「明るいレンズを開放で・・・」の場合の選び方は下記のケンコーのサイトに詳しく書かれています。
http://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/nd/nd_f.html

例えばF値2.8で撮影したい場合・・・・
任意のシャッタースピードを選んだ時の適正露出のF値がF8だった場合はND8のフィルターを付ける事によりF2.8が適正露出になります。

同条件でF1.4で撮影したい場合はND32のフィルターが必要になります。
過去に自分が屋外で撮影した撮影データを参考に上記の表と照らし合わせて自分が必要とする数値を導き出すことが出来ます。

因みに、NDフィルターは重ねて使うことでその数値をかけ合わせた数値の効果を得ることが出来ます。
例えばND4とND8を重ねて使うと4×8=32でND32の効果を得ることが出来ます。
ND4とND8を一枚ずつ買っておくとND4としてもND8としても使えてかつND32としても使えることになります。

ただし、フィルターを重ねた時にケラれる可能性も有るので、上記のような使い方をするのであれば薄型のフィルターを購入しましょう。

「シャッタースピードを稼ぐため」のNDフィルターもケンコーのサイトに乗っている「NDフィルター使用時のシャッタースピード早見表」を参考に選ぶと良いでしょう。

http://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/nd/nd_speed.html

例えば、適正露出でシャッタースピードが1/125の条件でシャッタースピードを1秒まで遅くしたい場合はND128が必要になります。
同条件でシャッタースピードを3秒にしたい場合はND400が必要になります。
どんな環境で撮影するかとどのくらいのシャッタースピードが必要か考えて選ぶ必要があります。

で、今回はシャッタースピードを稼ぐことが目的だったので「ケンコーND400 プロフェッショナル」を購入しました。
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ND400だとシャッタースピードを8と2/3段分遅くすることが出来ます。
例えばフィルター無しで適正露出のシャッタースピードが1/1000秒だった場合はフィルターを付けると0.4秒、1/150だった場合は3秒が適正露出となります。

実際に使ってみた感想としては以前購入した安いものとは違いおかしな色かぶりなどもなくとても満足しています。

ただ、晴天の屋外でシャッタースピードを十秒以上にしようと思うとF20などかなり絞る必要があったので、もう一枚ND4当たりを重ね付けして使用するのがいいのかもしれません。

NDフィルターを使った長時間露光に時の注意点

NDフィルターを使って長時間露光をする際の注意点をまとめてみました。

三脚は必須アイテム

当たり前ではありますが、シャッタースピードを遅くすれば手振れが発生してしまいます。
最近のカメラは手ぶれ補正がかなり優秀で、広角で手持ち1秒位ならなんとかなる場合も有るようですがよほどの理由がなければ三脚を使用して撮影しましょう。
特に数十秒シャッターを開く場合は三脚必須です。

ケーブルレリーズがあると○

直接シャッターボタンを押してもいいんですが、極力ブレの無いようにケーブルレリーズを使うことをおすすめします。
また、シャッターレリーズがあればバルブ撮影も楽なので一つ持っておくといいと思います。

私は純正ではなく下記のモノを使用しています。

インターバルや露光時間を指定しての連続撮影などの純正にはない機能が付いていて純正より安く購入出来るのでおすすめです。

ケーブルレリーズがない場合はカメラのセルフタイマー機能を使って撮影することで無駄なブレが抑えられます。

手振れ補正はOFF

三脚を使用して撮影する場合は手振れ補正をOFFにしておきましょう。
レンズやカメラによっても違うので絶対ではないですが、物によっては手振れ補正の誤動作が起きてしまいかえってブレてしまうことがあるようです。

また、バッテリーの消耗にも繋がるので基本はOFFで問題ないと思います。

構図を決めるときはNDフィルターを外した状態で

ND4とか8程度であればNDフィルターを付けたままでもファインダーで確認が出来ますがND400ともなるとファインダーを覗いても真っ暗で殆ど何も見えません。

こんな状態で構図を決めるのはほぼ不可能なので、一旦NDフィルターは付けずに構図を決めてフォーカスも合わせておきましょう。
構図が決まってからNDフィルターを付けて撮影しましょう。

因みに、私は買ったばかりのNDフィルターを装着時に落としてしまいました・・・^^;
幸いフレームに少し傷が出来ましたがフィルター自体が割れたり傷が付いたりはしていなかったので良かったのですが・・・
皆さんもフィルターの着脱時は十分に注意しましょう。

露出/シャッタースピードと絞りを決める

露出モードは基本マニュアルで設定します。

ISOは画質優先で最低値にしておきます(私が使用しているNIKOND7100の場合はISO100)。

シャッタースピードと絞り値の決め方ですが、まずはNDフィルターを付けない状態で絞り優先モードに設定して適当な絞り値を設定します。

すると適正露出となるシャッタースピードが表示されるはずです。

「NDフィルターの選び方」でも説明した通り、NDフィルターを外した状態のシャッタースピードに使用するNDフィルターの数値をかけ合わせた物がNDフィルターを装着した時の適正露出となります。

例えば絞りF4でNDフィルター装着前のシャッタースピードが1/1000でND500を装着すると「(1/1000)×500」で1/200がNDフィルターを装着した時必要なシャッタースピードになります。

シャッタースピードを更に稼ぎたい場合は絞りを絞ってND装着前のシャッタースピードを遅くします。

例えば上記と同じ条件でシャッタースピードを4秒にしたい場合は絞りを3段絞ってF11にしてND装着前のシャッタースピードが1/125になるようにします。

こんな風に必要とするシャッタースピードと手持ちのNDフィルターの数値を参考に絞りとシャッタースピードを決めて行くことが出来ます。

・・・ただし、撮影の度にいちいち計算するのも面倒なので、上記の式だけ頭に入れておいて、あとは一度NDフィルターを付けて撮影してみて暗ければシャッタースピードを上げるかF値を下げる、明るければシャッタースピードを落とすかF値を上げて対応すればそこまでシビアになる必要もないと思います。

実際私もとりあえず一枚撮ってみて後は絞りとシャッタースピードを上げたり下げたりして撮影していました。

ファインダーからの光漏れに注意する。

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三脚にカメラを乗せて構図も決めて絞りとシャッタースピードも決まってNDフィルターも装着完了!あとは撮るだけ!!・・・・なんですがもう一つ注意点があります。

それは「ファインダーからの光漏れ」です。

一眼レフはレンズを通ってきた光を画像素子が受け取り画像に変換していますが、実はファインダー側からも光が入り込み画像素子に影響を与えてしまうことがあります。

通常の撮影ではファインダーを覗いたまま撮影しますし、ファインダーから目を離していたとしてもファインダーから入ってくる光は極僅かですのでシャッター速度が早ければそれほど影響はありません。

しかし、長時間露光の場合はファインダーから目を離して撮影しますし、僅かな光でも露出時間が長いのでファインダーからの光が影響してしまう場合があります、特に太陽を背にして撮影した場合は、太陽光がファインダーにもろにはいいてくるので影響が大きいです。

対策は簡単でファインダーを塞ぐためのアイピースキャップを装着するか、黒いパーマセルテープやマスキングテープなどでファインダーを塞いでしまえば問題ないです。

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手でファインダーを覆ってもいいんですが、露出時間が長いと疲れますし、カメラに触れてしまうとブレの原因にもなるのでおすすめしません。

一部の機種ではアイピースシャッターが内蔵されているのでレバーひとつでファインダーからの光の侵入を防げます。

作例

今回「ケンコーND400 プロフェッショナル」を使って実際に撮影した写真です。

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